2012年入行 法学部卒

増え続ける中小企業の後継者問題。
そこに寄り添い、支援するのが当行の使命。
日本の会社の99%が中小企業と言われるなかで、その約半数は後継者問題を抱えているのが現状です。今後さらに少子高齢化が進むなかで、「中小企業のトータルパートナー」を目指す当行がそこに寄り添い、お客さまの課題に向き合って支援していく必要があると思っています。私が所属するソリューション営業部企業情報グループは、当行の支店と連携しながら事業承継を希望されるお客さまに承継先を紹介するM&Aという手法で支援する部署です。
支店で担当するお客さまから事業承継のご相談があり、第三者に事業をお譲りされる気持ちがあれば私たちも同行訪問し、経営者のヒアリングを通して事業存続への「想い」を確かめます。その想いをもとに当行の取引先の会社をメインに事業の承継先を選定し、両社のトップ面談をセッティングするのがM&A業務冒頭の流れです。お互いにお話しいただき、両社の考えが一致したらご契約となるのですが、お相手に事業を承継するのに、短くとも1年は時間がかかり、ほとんどは長期のプロジェクトになることが多いです。

事業継続できないので引き継いでほしい。
その相談から挑戦がはじまった。
私がはじめてM&Aという業務に携わったのは、支店で営業をしていたときです。担当していたお客さまから法人買収のご相談を受けました。そのお客さまが知り合いの経営者から「事業を継続できないので引き継いでほしい」と買収を持ちかけられたとのこと。当時は私も東日本銀行もM&Aの支援をした経験がありませんでした。コンコルディア・フィナンシャルグループである横浜銀行のM&Aチームの協力のもとで無事に成約したのですが、一連の業務は私にとって初めて経験することばかりでした。一つ一つがとても刺激的で、お客さまの傍らでワクワクしたことを覚えています。
このようなソリューション提供があるのかと感激し、「いつかはこの業務に就きたい」と思い、その後に横浜銀行へ出向してM&A業務のスキルを学びました。当時のM&Aプロジェクトは、当行100年の歴史のなかではじめて手掛ける挑戦でした。ありがたいことに、お客さまが当行を全面的に信頼して任せてくださったからこそ実現したプロジェクトです。

経営者の想いを上手に汲みとる。
その先に希望の道が見える。
M&Aは単に株をお金で譲渡すればすむものではなく、「想い」を引き継いでいくものだと思っています。先代、先々代から受け継いできた想い。従業員やその家族、お取引先への想い。地域経済を支えてきた想いなど。後継者不在でやむを得ず会社を譲渡される社長の心には、「こう継いでほしい」という想いがあるのです。その、数字には見えない想いを私たちが上手に汲みとり、経営者のご意向を探っていくのがいちばん難しいです。ただ、難しいからこそ、双方の想いが一致したときは一生懸命に支援してよかったと思う瞬間でもあります。
お客さまにM&Aの仕組みをご説明し、納得していただいた後に「じゃあ、うちのアドバイザーになってよ。東日本銀行にすべて任せるから」と言われたときは嬉しく、やりがいに感じます。歴史上はじめての挑戦から、今では組織的に支援するまでになりました。ゆくゆくは、このグループで働きたいという行員が増えるような、魅力的なグループにしていくのが当面の目標です。
※取材当時の情報になります。